ユーザー参加型キャンペーンで「facebook女子旅」を商品化!オープン化のメリットとは?

商品企画過程をオープン化して、多くのユーザーに意見を求めるメリットの1つは、参加ユーザーが、商品化を待ち望み、積極的に広めてくれる「パートナー」になってくれるということです。

特に、”旅”という商材は、多くのユーザーが企画に参加しやすい商材です。

ここでは、公共宿などを活用してお手頃価格の旅ができるWEBサービス“お宿ネット”を運営している、エムアンドエムサービス様とのコラボレーションによって”ユーザー参加型”で商品化した「Facebook女子旅」の事例を紹介し、「オープンな商品企画」によって企画段階から市場をつくるマーケティング手法について整理します。

 

  • ユーザー参加型商品企画「やどねーさんと一緒に女子旅を妄想しよう!」概要
  • 01| 多くの人が参加しやすい「場」のデザイン
  • 02| ニーズ調査は、オフラインで深め、オンラインでブラッシュアップ
  • 03| ワークシートを用意し、ユーザーに直接企画してみてもらう
  • 04| Facebook連携アプリ「Like or Not?」で拡散
  • おわりに

ユーザー参加型商品企画「やどねーさんと一緒に女子旅を妄想しよう!」概要

エムアンドエムサービスが運営する Facebook ページ「お宿ねっと公式ページ」では、2012 年 7 月より、Facebook を介してユーザーと一緒に女子 旅を企画する「やどねーさんと一緒に女子旅を妄想しよう!」プロジェクトを実施。

Facebook クエスチョンや オフラインでの、Face to Face の ヒアリングを通じて、ユーザー参加型のキャンペ ーンを実施しました。

オフラインとオンラインの両方を相互補完的に活用し、ユーザーとの対話を繰り返しながら、「女子旅」を企画していきました。

以下に、その具体的なフローとポイントを整理します。

01|多くの人が参加しやすい「場」のデザイン

Facebookでユーザー参加が手軽になったからと言って、実際にユーザーがワクワクする企画でなければ、誰も参加しません。

多くの人に参加してもらうことが重要なプロジェクトでは、
ユーザーがワクワクしながら企画に参加してくれる「場」のデザインが「ユーザー参加」の成否を分かつ重要ポイントになります。

特に注力したのが、「女子旅”妄想”」というキャンペーンコンセプトづくり。

ターゲットの女性たちにとっては、旅自体だけではなく、旅の計画も楽しみの一つ。

「ここに行って、これして、あれして、こんな写真を撮って、あんな話をして・・・。」

それは、旅を”計画”するというより、好きなことを”妄想”する楽しさなのではないか、という洞察をもとに、実際に旅行を計画するときのように、リアルなワクワク感をもって企画に参加して欲しいと考え、「女子旅”妄想”」という言葉を選びました。

concept

また、商品企画のナビゲーターとなる「やどねーさん」のキャラクター設計も、女性達に親しまれる女性の先輩キャラで、「お宿ネット」のサービスイメージに合うようにこだわってデザインしました。

02| ニーズ調査は、オフラインで深め、オンラインでブラッシュアップ

まず、フォーカス・グループ・インタビューを行い、できるだけ洞察を深めた後に、その偏りを是正するためにSNS上でより多様なユーザーに問いかけてみる、という手法をよくとります。

現行の「女子旅」に関する情報をもとに、「女子旅」について意見を聞いてみると、実際に出たのは、例えばこんな声。

単に「まったり」するよりも「アクティブ」を求める。
実際の声:「まったりならホームパーティでも出来る。観光やお出かけをしながらいつもと違う刺激を受ければ、話も盛り上がりそう!」

特に、普段から会っている「遊び友達」と行く場合には、その傾向が強い。
実際の声:「おしゃべりは女子旅の楽しみの一つだけど、遊び友達とは結構話してるから、メインの目的にならない。大学の友達(旧友)とかなら、ゆっくりしゃべりたいかも・・・」

こうして得られた「F1層は『ゆったり』の訴求よりも『アクティビティ』の訴求に惹かれる」という仮説に対して、ヒアリング対象によって生じる偏りを是正し、仮説を鍛えていくために、オンラインで、より多様なユーザーの声を集めていきます。

例えば、Facebookクエスチョン「女子旅でやるならどっち?」では、「アクティブに観光・お出かけでワイワイ」に53票中35票が集まりました。
こういったタイムライン上のやりとりを続けながら、徐々に仮説を鍛えていきました。

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03| ワークシートを用意し、ユーザーに直接企画してみてもらう

専門性の高い商材では、ユーザーの考えた企画が技術的に実現困難だったり、専門性が高すぎてユーザーにとって企画のハードルが高すぎたり、という問題が生じることが多いですが、”旅”という商材なら、多くのユーザーにとって企画しやすいため、直接企画に参加してもらいました。

まず、行きたい旅行について「妄想」し、当社で用意したワークシートに書き込んでもらいました。

ワークシートには、ホテル名や想定予算など、企画の条件となる部分に制約を設けておくことで、企画しやすいように工夫しました。

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ここで、「女子力UP」や「リア充」といったキーワードや、「自然の中で○○体験」「星空観察」「時間を気にせずエステ・温泉」などの訴求ポイントが浮き上がってきました。

こうしたプロセスを経て、最終的に、全工程に参加していた企画のプロが、企画を練り上げていきます。

04| Facebook連携アプリ「Like or Not?」で拡散

企画のプロが手を加えて、「みんなで”妄想”した女子旅プラン」の企画案を7案作り上げたら、更にオンラインでより多くのユーザーを巻き込みブラッシュアップしていくため、当社オリジナルアプリ「Like or Not?」を使ったキャンペーンを行いました。

Facebookアカウントで簡単に参加でき、表示された女子旅プランに「Like」か「Not」かのボタンを押すと、次々とプラン案が切り替わり、最後の一覧ページでは「ここが好き」「もっとこうしたらどうか」などのコメントも任意で書き込めるようになっています。

みんなで”妄想”した女子旅プラン7つに、自分の意見・妄想を添えて、Facebookアルバムとしてシェアしてもらうことで、多くの人に楽しみながら参加してもらえるようにしました。

▼「Like or Not?」スタートページ

LikeorNot

▼女子旅プランの例

PlanA

更に、メールアドレスを登録すると、女子旅が商品化された時に通知され、全員20%OFFの特典をプレゼント!、モニター参加枠も3名様分用意しました。

このアプリは、「商品企画」の観点からは、最終企画案について多くのユーザーの「Like」か「Not」かといった態度を知り、その理由や具体的なコメントを併せて知ることができるので、最終仕様を絞り込む「コンセプトテスト」の意味合いがあります。ユーザーの基本属性別に集計することもできます。

そしてそれ以上に、ユーザーに手軽に楽しく参加して「アルバムシェア」してもらうことで、その友達にも参加してもらい、より多くのユーザー参加を促し、キャンペーン内容についてよく理解し関心を持ってもらえる点が、大きなメリットです。

こうして、「商品化されたら通知してほしい」「割引価格で購入したい」というユーザーが多くでてきて、メールアドレスを登録してもらうことができた=商品化を待ち望んでくれているユーザーリストができたという点が、今回のプロジェクトで、喜んで頂けたポイントでした。

おわりに

「ユーザー参加型商品企画」は、以下の3つのポイントによって、ヒット商品を生み出しやすいと私達は考えていますが、今回の事例は、3つ目の「参加ユーザーをパートナーに」というところを最も際立たせたプロジェクトとなりました。

具体的には、商品企画の過程をオープン化することで、商品化を楽しみに待ってくれてメールアドレスを登録してくれるユーザー(パートナー予備群)がたくさん出来たということです。

Point

そのためには、もちろん、単にオープン化すれば良いということではなく、

  1. ユーザーがワクワクして参加したくなるような場づくり:「女子旅”妄想”」のコンセプトや、親しみやすいキャラクター設計等
  2. みんなで妄想した女子旅プラン7つを「Like or Not?」で評価・ブラッシュアップしてもらうという、手軽で分かりやすい参加方法
  3. 「参加者全員20%OFF(3名様のモニター枠あり)」という後押しインセンティブの設計

などの工夫がありました。

こうしたやり方は、例えば、比較的小ロットでも生産可能な地域特産物などの場合、企画段階で予約販売を行い受注生産で商品化するといった在庫リスクなしの商品企画にも応用できそうです。